高石宏輔「声をかける」を読んでみる。

高石宏輔というナンパ界で有名な人がいる。彼のことはほとんど何も知らない。

知っていることといえば彼がナンパの達人だということと、かつて読んだことのある「あなたは、なぜ、つながれないのか:ラポールと身体知」という本の著者ということだけだった。ラポールと身体知については、ナンパ技術向上のために買って読んだのが、期待外れだった記憶がある。売ってしまって今はもう手元にない。俺の好きだったナンパブログに彼の名前が出てきて、彼のことを知った。

その日はあまりにも酔いすぎていたのかもしれない。飲み会帰りにみんなと別れて1人ナンパしようと思ったものの、飲み会で話した内容が引っかかっていたというのもあるのか、まぁそれは言い訳にすぎないかもしれないが、誰にも声を掛けることができなかった。

声を掛けても楽しく会話できている自分がイメージできなかった。自分が楽しめなければ、相手を楽しませることはできない。これは自意識過剰というやつだけど、みんなが俺を避けているような気がした。このテンションで声掛けてもダメだろうと、帰る前に書店に入った。

おもしろい本出てないかなと、サブカル関連のコーナーを訪れた。

くだらねぇ…

 

「モテる奴は〇〇してる」

「モテる法則」

「モテたいなら〇〇しろ」

あまりにも陳腐なタイトルの本が溢れすぎていて、吐きそうになるほどだった。そんなゴミの山の中から、スッと瞳の中に飛び込んできた本があった。

「声をかける」というタイトルの本だった。

高石宏輔の新刊か。2018年7月20日発売。何度か目にしたことはあるが手に取ったことはなかった。

思いっ切りナンパの本じゃん。

ナンパは自傷 というキャッチコピーが印象的だ。前作に引き続き重そうな本だ(笑)

パラパラっと中身を読む。眠い。頭に入ってこない。

 

だけどパラパラっと読んだだけで、本の主人公のナンパをイメージできた。めちゃくちゃうまいわけでもなく下手なわけでもない。そよ風のようなナンパ。俺のやっていることと同じような気がした。

SEXとは違う何かを求めていて、でもそれが何なのかを言葉にできなくて、とりあえず街に出れば答えが見つかるかもしれないと期待している。そんな宙ぶらりんなナンパ。

ナンパなんかやらなくてもいいのに、なぜかまた街に出てしまうという、人生のモラトリアムのような。

俺はすぐに彼のことが好きになった。俺はこの本を読まなければならないと思った。俺はその日、誰にも声を掛けずに家に帰った。

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