飛田新地に興味がある。「さいごの色街 飛田」何が正しくて何が間違っているのかはたぶん誰にもわからない。

風俗店のニオイが嫌いだ。タバコと何かが混ざったたとえ難いあの独特なニオイ。あのニオイをかぐとどこか罪悪感のようなものを覚えて居た堪れない気持ちになる。ゲーセンでもたまに同じニオイのする場所があって、主にはスロットコーナーだかメダルコーナーら辺で、そこを通る時は息を止めて通るようにしているw

俺はニオイフェチというかにおいに敏感で、必要以上にニオイが気になってしまう。

大阪府大阪市西成区に、飛田新地という場所がある。

この場所は日本最後の色街と呼ばれる場所で、謎に包まれた場所である。

ちなみに一度も行ったことはないから、体験記事ではない。すみません。

 

しかし俺はずっとこの飛田新地のことが気になっている。

子どもの頃にタバコや酒に興味を持つのと同じように、やろうと思えば経験できるんだけどまわりの同級生のみんなは率先して触れようとしないことに興味を持ってしまう。

みんなが先入観で決めつけたり、ろくな情報もないのに結論論付けようとすることに対して、何でも自分の目で確かめてみたいという願望がある。

 

飛田新地というと、最近ではネットや本の影響で知名度が高くなっているが、それでも知らない人はたくさんいるし、和やかな場で口に出そうものなら、その場の空気が凍ってしまいかねないほどの、腫物感が飛田新地にはある。

 

俺は性病を心底恐れていて、たぶんごく一般的な男の50倍は恐れているwムードを大切にしているから、万が一飛田に行って店に入っても、女の子と会話するだけで帰る自信があるが、その情緒的な雰囲気を味わいに行きたいと思っている。

 

俺は新しい刺激が何よりも好きなのだ。だからドキドキするために行ってみたい。

 

大阪の西成と言えば労働者街、あいりん地区としても有名な場所である。真昼間から道端で酒を飲んで寝ている人たち、激安スーパー、激安宿などで有名な場所だが、こちらも興味がある。近くまで行ったことはあるが、足を踏み入れたことはない。ヤバそうな雰囲気は伝わってきたw

 

この飛田新地という色街を10年に及ぶ取材の末に、本という形で世に送り出したパイオニアがいる。

「さいごの色街飛田」の著者井上理津子氏である。

彼女は俺が持つような興味本位という軽い気持ちで飛田に関わったわけではないだろう。飛田の取材をするのはめちゃくちゃ大変なことだっだようである。

そりゃそうである。飛田で行われていることは日本では暗黙の了解で通っていて、公の場で話すときは、オフレコでという前置きをしてからでないと話せないようなことである。いわば閉じた世界であり、日の目を浴びることはなく、中の人たちもそれを望んでいないだろう。

そこにたった1人で話を聞かせてくださいと乗り込んだのである。その勇気は賞賛に値する。ナンパで地蔵してるのが恥ずかしくなったわ。興味がある人はぜひ本書を読んでくださいということで。

 

 

簡単にまとめると

  • 飛田は売春防止法完全施工までは、廓(くるわ)だった。周囲を囲いで囲って遊女を集めた場所。よくわからん。
  • 飛田遊郭建設の際には激しい反対運動があった。
  • かつては違法でなかった売春が、売春防止法の成立によって違法になったことによって、生き残るために試行錯誤の末、現在のお客と女の子、男と女の間に自然に起きたことだから我々には関係ないという自由恋愛の形をとるようになった。
  • 売春防止法は経営者や斡旋屋などは処罰されるが、売春婦当人は処罰されないという矛盾点のある法律だが、選挙の票につながらないため改正運動が起こらないらしい。売春防止法は売春をなくすための法律ではないとのこと。
  • 飛田料理組合という統括場所がある。
  • 飛田で働く人の中卒、高校中退率は高く、仕方なく働いている人も多い。親が貧乏で生活が苦しく、またその子も貧乏になるという貧困の連鎖が起きている。お金を稼いでも男やパチンコですぐ使ってしまうといったように。
  • しかし現在ではネット求人によって、そこらへんにいるようなごくふつうの女の子(人間性という意味で)が働いている。
  • 昔は求人が難しかったが、ネットで求人を掛けるようになった今、驚くほどの美人が集まる買い手市場になった。

 

内容的に少し重い内容だから、落ち込んでいる時に読んだらより落ち込むこと請け合いだけど、著者の執念のこもった力作です。

風俗の良し悪しを論ずるときによく出るのが、身体を売るのは道徳的によくないとか、そこで働く人たちの最後の砦ようなものは必要だとか、風俗がなかったら性犯罪が増えるとかとかあるけど、少なくとも俺には何が正しくて何が間違っているのかはわからない。

 

本書に出てくる人たちは、飛田の金持ちの経営者だったり嬢だったり、居酒屋の店主だったりするんだけど、生活している場所は特殊な場所だけど、日々もがいて生きているという点では、俺やあなたと何も変わらない。それだけは言える。著者はあとがきでこう言っている。

なお、本書を読んで、飛田に行ってみたいと思う読者がいたとしたら、「おやめください」と申し上げたい。客として、お金を落としに行くならいい。そうでなく、物見ならば、行ってほしくない。そこで生きざるを得ない人たちが、ある意味、一所懸命に暮らしている町だから、邪魔をしてはいけない。 429ページ(文庫版)

最後の最後で先手を取られた気分になった。だからいつか訪れることがあるとしたら、その時は客として敷居をまたがなきゃならなくなった。著者やそこで働く人たちに敬意をこめて。

コメント