ナンパで挫折しそうになった夜

成果を出している人は数え切れないくらいの失敗を経験しているというけど、ナンパでもそれは同じだと思う。

俺にも数え切れないくらいの失敗がある。

 

時刻は深夜4時をまわっている。

 

俺が何をしているかといえば クラブからの帰り道だ。

 

やってられるか

1人で行ったクラブではほとんど何もできずに、しばらくの間は壁にひっついていたんだけど

楽しく踊る奴らを見ているのに耐えられなくなって逃げ帰ってきた。

 

行かなきゃよかったかな?

まぢで意味ない時間だったわ

 

もうとっくに終電がないから自分への罰をこめて歩いて一番近い漫画喫茶に向かった。それだって1時間以上はかかる。

 

もてない

 

ナンパを始めれば女に不自由しないなんてうそだ。

 

誰にも相手にされないじゃないか

 

 

ナンパなんかやめたい

 

やめりゃいいじゃん?

べつにやらなきゃならないわけじゃないんだった。

やめればただ もてない生活に戻るだけのことだ。

 

なんだそれだけのことか

 

壁にもたれかかる自分の姿がフラッシュバックする。

目の前では美男美女が濃厚なキスをしている。

 

俺は何をしていた?

 

ビビッて壁にひっついていただけだろ。

 

少しなみだが出ているのかもしれない。

 

誰もいないしいいか。

 

 

この瞬間にも

美人と二人っきりの時間を楽しんでいる奴らがいる。

 

イケメンか?

金持ちか?

 

この瞬間

 

誰にも相手にされなくて終電のなくなった夜道を歩いている俺がいる。

 

その違いはどれだけ大きいのだろう?

もう取り返しがつかないのだろうか?

俺に足りないものは何だろうか?

そんなのいっぱいあるわ。

 

マイナス思考に陥って、とぼとぼ歩きながらやっと大きな駅に着いた。

 

もうすっかり朝だった。

 

駅に向かって人が流れていくのが見える。

 

そういえばここにもクラブがある。

さっきまでクラブで踊っていたのであろう集団が駅に向かって流れていく。

 

男同士のグループが目についた。

酔ってフラフラの奴らが目についた。

同じようにナンパがうまくいかなかったのかもしれない。

 

その時俺の中で何か燃えてくるものがあった。

 

そうだった。

俺は負けてない。

たまたま今日ダメだっただけだ。

 

そうだ思い出せ。

ほとんどの男たちは タイプの女の子を見かけてもただ見ていることしかできない奴らだ。

 

無視されたってのは失敗に入らない。

たまたま無視されただけで 転び方が違えば成功していたかもしれない。

無視されたってことは試合に参加したってことだ。

だから失敗じゃない。

 

時には何もできない日だってある。

 

でも戦いの場に行ったんだから何もしない奴よりはずっとましだ。

 

そう考えることで俺はその夜を乗り切った。

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