その悔し涙はいつか闇を照らす光になる

六本木から渋谷駅までの道のりが今でも嫌いだ。その道はクラブナンパを1人でやり始めた頃に泣きながら歩いた道だった。

深夜の通りを渋谷駅に向かって歩いた。この悔しさをどこにぶつければいいのかがわからなかった。うまくいかない。クラブで1人じゃ声を掛けられない。たまに声を掛けてみても盛り上がらずに女の子はすぐに去っていった。

 

他の奴らはみんな楽しそうにしていた。俺だけが1人浮いているように感じた。

何か成果が欲しくて、でも成果を追えば追うほどに楽しむことを忘れて、楽しませることを忘れていった。1人でクラブナンパすることに限界を感じていた。

朝になってみんながグループで帰る中1人で帰るのが嫌で、いつも深夜に帰っていた。

 

何もできなかった自分への戒めを込めて、いつも1時間近くかけて夜道を歩いて帰った。

毎週のように同じことを繰り返して、少しずつ期待もできなくなっていた。

 

やり続けてもその先に光が見える気がしなかった。

 

目の前に美女がいるのに全く相手にされない悔しさ。

何度、もうこんなこと意味ないからやめようと思ったことか。数え切れない。

 

それでも俺はやめなかった。その先には光があるような気がしていた。微かな希望を追い続けた。

 

俺はモテないと苦しむ人の気持ちが痛いほどにわかる。もっとかっこよければ。もっと金持ってたら。有名人だったら。

自分に足りなくて欲しい要素は無限に沸いて出た。

かっこよくもなくて、おまけに口下手な自分を呪った。うまくいく要素が見当たらなかった。いい思いをしてる奴がいる一方で、悔しさに押しつぶされてしまいそうな自分がいる。そんな思いの行き先はどこにも見つからなかった。

 

だからとうとう本当にタイプの女の子と仲良くなれた時、俺はうれしさよりもむしろ許されたような気持でいっぱいになった。

お前のやってきたことは間違いじゃなかったと言われたような気がした。

 

行き場を失って堆積されていった悔しさの塊が溶けていくようだった。

その時俺はナンパの自己承認欲求の側面を少し見た気がした。だけど俺は誰かに認められたいんじゃなくて自分で自分自身を認めたかっただけなんじゃないかと思う。

 

あなたがナンパを始めた時、きっと同じようにうまくいかなくて悔しい思いをする時が来ると思う。そんな時には思い出してほしい。

きっと暗闇の先には光がある。

うまくいくことが信じられなくても自分に失望して嫌になっても、その先にはきっと光があると思うんだ。

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